予防歯科は、虫歯や歯周病をはじめとした口腔疾患にならないよう、お口の中を健康な状態に保つ事を目的としております。どんなに上手に歯ブラシができる方でも、少しずつ磨き残しがでてきてしまいます。私たち歯科医療にたずさわっている者でも全体の20%程度の磨き残しができてしまいます。当院では治療をせずにお口の中を良い状態で保てるよう、十分なケアをしていくことが大切だと考えております。
スウェーデンでは90%の方が定期健診・クリーニングを受けているので、80歳以上の方でも20本以上歯が残っていて入れ歯やインプラントを使用している方はほぼいません。ですが日本では定期健診やクリーニングを受けている方はわずか2%!
そのため80歳の方では平均8本しか歯が残っておらず、ほとんどの方が入れ歯やインプラントを使用している状況です。
虫歯はお口の中が酸性になって歯が溶ける症状をいいます。虫歯菌はお口の中に入ってきた食べ物や、歯に付着した飲み物などを食べます。 そしてお腹がいっぱいになって満足した虫歯菌は、食事後に排泄をします。その排泄物が酸であり、この酸が歯を溶かして虫歯になります。
表面に穴が開いた状態
あまり痛みのない状態
穴が深くなり歯がしみるなどの症状が出始めます。
神経に達した状態。夜も眠れないほどの痛みが出たりします。
神経が死んだ状態、場合によって根の治療が必要
予防歯科と聞くと健康な歯が虫歯にならないように予防する、というイメージがあるかと思います。ですが予防が必要なのは健康な歯だけではありません。治療が終わった歯こそ、再発や新たな虫歯や歯周病にならないように予防することが大切です。お口の中には歯磨きだけでは十分に落せないバイオフィルム(殺菌の膜)があります。 この落としきれないバイオフィルムを歯科医院で定期的に除去し、各種検査を行う事で、患者様お一人おひとりに合ったメンテナンスやホームケアのご提案を行うことができます。
日本人は80~90%の方が、軽度から重度の歯周病があります。近年では小さなお子様にも軽度の歯周病(歯肉炎)が見られます。歯周病(歯肉炎や歯肉炎)と診断された場合、保険の適応内でクリーニングや検査、歯ブラシの練習をすることが可能です。私たちはできるだけ治療しないで済むことを望んでおります。それが患者さまにとっても健康への近道です。